高齢者生活介護支援事業では「主体性を引き出す介護」を合言葉とした介護を実践すると共に、バリデーションやターミナルケアなど先進的な取り組みにも積極的に挑戦しています。
2000年新卒で入職。特別養護老人ホーム、ショートステイ、デイサービス、グループホームなどを経験。現在は特別養護老人ホームのホーム長として、利用者のケア、職員の労務管理、指示・指導、相談などを行う。仕事のポリシーは「日々楽しく、笑顔を忘れずに」
「主体性を引き出す介護」とは、
そのとき出来ることを、出来る限り継続してやっていただくことを念頭に置いた介護です。
例えば、トイレに行きたいとき、
自分の意思で歩いて行ける力があるのであれば、私たちは全面的な介助はしません。利用者の意思と能力を見極めた上で、適切なお手伝いをします。
まずは残存能力を確認し、それをどうすれば継続出来るかを「自分だったらどうしたいのか?」という目線で考えます。関わり方・技術・環境など様々な視点から検討し、最適な方法を決めていきます。
排泄をオムツでしていた利用者が、いざトイレに座ってみるとしっかりと排泄する事が出来た。1人でトイレに行けることが良いきっかけになり、ご飯も食べてもらえるようになりました。成功体験を積むことで、モチベーションは上がります。きっと、みなさんも経験したことがあるのではないでしょうか?
介護は大変な仕事と言われますが、楽しく・やりがいのある仕事です。まずは自分が楽しく仕事をして、現場の雰囲気を良くすること。楽しくないと仕事は続きません。将来的には、介護の仕事のイメージを良くしていきたいです。そして、介護に携わる人が増えると、より良いケアを提供することができます。そのやりがいが次につながると思います。
週1回、訪問介護の登録ヘルパーとして働き始めたのをきっかけに、子どもの成長とともに働く時間を増やす。デイサービスセンターみずほ、あじさいで働いた後、パートから正職員となり、現在は高齢者グループホームの管理者として4年目を迎える。
アルツハイマー型認知症および類似の認知症高齢者とのコミュニケーションテクニックのひとつです。
認知症高齢者の行動には必ず理由があると考えます。相手の話を傾聴し共感することで、認知症の方が自分の感情や欲求を表出させたり、人生の未解決問題の解決をする手助けをします。認知症高齢者を変えるのではなく、介護者自身が変わり、介護を受ける側の世界を理解し心を通わせることを目指しています。
バリデーションを実践することで、利用者の訴えが少なくなり、落ち着いて過ごすようになったり、なかなか入浴ができなかった利用者が喜んで入浴されるようになったりしました。まだまだテクニックの向上が必要ですし、今後も勉強していきたいと思っています。
仕事をする上で、自分の価値観を押し付けず、受容するということを心掛けています。それぞれの利用者には想いがあり、またご家族にも想いがあります。その想いを理解し、相手を知るためには、自分の尺度で物事を見るのではなく、相手と同じ目線で見ることが大切です。その先に「信頼」があるのだと思います。
もともとバリデーションの知識があったわけではありません。1年2カ月の研修を受講後し、バリデーションワーカーの資格を取得しました。今も定期的にバリデーション研究会などに参加して学びを深めています。祥雲館に入職当初、研修などの学ぶ時間が多いことにびっくりしました。大人になってからも学べることがこんなにも楽しく、有意義なものだとは思いませんでした。これからも向上心を持ち、働きたいと思っています。
前職では保育士を8年勤めていた。その後、特別養護老人ホーム祥雲館 従来型にて介護職員として6年勤務。現在はユニット型の主任として、ご利用者の生活のお手伝いとそのためのチーム作りに取り組んでいる。
ターミナルケアとは、終末期を迎えられた利用者と家族にとって残された時間を充実したものにすることを目的としたケアです。
ご家族の協力を得ながら、病院ではなく、慣れ親しんだ施設で、馴染みのある人の看取りにより、最期の時を迎えていただくための準備を行います。
利用者の家族と施設スタッフでカンファレンスを行い「残された時間で何ができるか?」を話し合います。その方の好みや趣味、苦痛の有無を確認し、環境を整えたり、ケアの見直しを行います。写真が趣味な方であれば、昔撮った写真を部屋に飾るなど、その人らしいプランを練り、実行します。その都度、振り返りを行っています。
本人からの反応が得づらいケースがほとんどなので、正直なところ、自分たちが実践していることが苦痛になっていないかなど、不安と迷いの中で実践しています。その中で、ご家族から「みていただいてよかった」と感謝の言葉をいただくことは、何よりも向き合ってきて良かったと思う瞬間です。
利用者は、自分の家族以上に一緒の時間を過ごしています。毎日の生活の中で、できるだけ利用者に寄り添い、楽しい時間を共有したいと思っています。利用者は、私たちにとっては人生の先輩です。常識にとらわれすぎるとつまずくことも。だからこそ、刺激があって楽しい仕事だと思います。
祥雲館では定期的に、
サービスの向上を目的として、
さまざまなテーマをもとに委員会を実施しています。